金融商品取引法
はじめに、金融商品取引業について定めている金融商品取引法を概観します。
金融商品取引法の目的・内容
金融商品取引法は、投資者の保護及び資本市場の健全性確保を目的とする法律です。
この目的を達成するため、金融商品取引法は、①企業内容等の開示制度、②金融商品取引業、③金融商品取引業協会、④金融商品取引所、⑤公正な有価証券の取引を確保するための制度、等を定めています。
金融商品取引業
登録制
金融商品取引法は、金融商品の販売や顧客の資産を運用する業務を「金融商品取引業」と定義し、それらの業務は内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行うことができないとしています。登録を受けないで金融商品取引業を行った者には、刑事罰が課されます。
金融商品取引業は以下の4つの種別に区分されています。
- 第一種金融商品取引業
- 一項有価証券(株式や債券など)の販売、有価証券の引受け、店頭デリバティブ取引等の業務
- 第二種金融商品取引業
- 二項有価証券(オルタナティブ資産など)の販売等の業務
- 投資運用業
- 投資信託やファンドの運用等の業務
- 投資助言・代理業
- 顧客に対する投資の助言等の業務
開業規制
各区分に共通する開業規制として、金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者や、適確に遂行するための必要な体制が整備されていない者等は、登録を拒否されます。
区分に応じた開業規制としては、第二種金融商品取引業を行う法人についての最低資本金の定め(1千万円。ただし第二種少額電子募集取扱業務に関しては500万円)等があります。
行為規制
金融商品取引法は、各区分に共通する行為規制と、区分に応じた行為規制を定めています。
共通する行為規制の主なものには以下のものがあります。
・業務管理体制の整備義務
・標識の掲示、名義貸しの禁止、広告規制、取引態様の事前明示
・契約締結前及び契約締結時の書面交付
・禁止行為
・損失補填の禁止
・適合性の原則
金融商品取引業協会
金融商品取引法は、金融商品取引業者を会員とする自主規制機関としての金融商品取引業協会について規定しています。
自主規制機関は、法令遵守のための会員に対する指導・勧告をはじめ、自主規制規則の制定、会員の法令遵守の状況の調査、法令等の違反があった場合の会員の処分、苦情対応や紛争の解決、普及啓発・広報等の業務を行います。
当協会は、金融商品取引法に基づき、自主規制機関として内閣総理大臣の認定を受けた金融商品取引業協会です。