「ファンド」投資の留意点
主に一般投資家を念頭に置いて、ファンド持分などの「みなし有価証券」に投資をする際の留意点を整理しました。ご参考にしてください。
「ファンド」への投資にあたって
ファンドなどへの出資の勧誘を受け、投資するかを判断するにあたっては、以下の事項を確認の上、行ってください。
どんな投資をしているファンド?
「ファンド」は、多数の投資家からのお金を集めたものですので、「ファンド」だけでは、何に投資をしているのかは分かりません。
たとえば、ファンドの投資対象が不動産なのか、再エネ事業なのか、他のファンドなのか等です。投資家が買い物をする際に、「何かわからないが良さそうなものだから買おう!」とはならないと思います。ファンドを購入する場合にも、どのような出資対象資産に対して投資をするファンドなのかを確認して、納得した上で購入するようにしてください。
「私に限って大丈夫」が危険!
投資をする場合には、マイサイド・バイアスが働くと言われています。
マイサイド・バイアスとは、「私に限って大丈夫」という根拠のない自信をいいます。マイサイド・バイアスが働くと、リスクの説明を真剣に受け止めない可能性があります。
マイサイド・バイアスが働くことがあることを認識した上で、投資判断をすることも必要になります。
契約の締結前
まずはファンドの販売業者が必要な許認可を受けているかを確認してください。
業者は、金融商品取引業者か、登録金融機関か。あるいは、例外的に登録義務を免除されている特例業務届出者のいずれかのはずです。
⇒これらの者は金融庁のHPで確認できます。
(無登録でファンドの募集や運用をする行為は、違法です。)
業者から勧誘を受けた際、「契約締結前交付書面」の交付を受け、その内容の説明を受けてください。
「契約締結前交付書面」には、ファンドの概要、投資対象資産や投資対象事業の概要、ファンドの仕組み、手数料の概要、投資リスクの説明等、重要な事項が記載されています。
勧誘の際、業者側に以下のような行為はありませんでしたか。
- 虚偽(きょぎ)(ウソ)のことを告げて勧誘した
- 重要な事項について誤解を生じるような説明があった
- 不確実な事項について断定的判断(絶対にもうかる、損はしないなど)を提供して勧誘した
- 損失補償・損失補てんをすると言われた
契約締結前交付書面の内容、特にファンドの概要、出資のリスクを理解しましたか。
投資のリスクについては、一般的に次の3つがあるとされています。投資にあたっては、これらのリスクが許容できるかを考えることになります。
- マーケット・リスク
- 信用リスク
- 流動性リスク
1のマーケット・リスクとは、出資対象の資産の市場価値が値下がりするリスクです。2の信用リスクとは、出資対象先が倒産等するリスクです。3の流動性リスクは、ファンドを途中で解約等によって換金できないリスクです。特に、ファンドの運用期間が長い場合に留意が必要です。
投資家がリスクを許容できるか考える場合、以下の2つの観点から考えると良いとされています。
- リスクがどれだけ重大か
- リスクが起こる可能性はあるか
リスクが重大な場合とは、当該リスクが現実化した場合に、投資家が大きな損失を被る場合を言います。リスクが起こる可能性とは、当該リスクが現実化する可能性をいます。
契約の締結後
- ファンドを購入する契約を締結したら、「契約締結時交付書面」の交付を受けてください(契約した取引の内容を確認してください。)
- 業者から交付を受けた書類一式は、大切に保管しておいてください。
- ファンドの運用期間中は、運用報告書などが定期的に送られてきますので、運用状況を確認のうえ、保管しておいてください。
関連リンク(問題事例ご参考URL)
金融商品取引業の登録を受けるためには、種別に応じて、人的構成要件や財産要件(最低資本金等)などの参入規制を満たす必要があります。ファンド持分への投資に関する問題事例については、金融庁や国民生活センターでも、HP上で注意喚起が行われておりますので、ご参考にしてください。